メディアを活用して“勝てる”集客・販売戦略 VOL.2

(4)財布の紐を緩めるための3つの留意点

 ひと昔前と比べて広告の反響が下がってきた理由は、前項でご紹介をした“インターネットの普及”に加えて、“長引く不況”“消費者の目が厳しくなった”ということが考えられます。

景気が悪ければ、人は自然と財布の紐が固くなります。

日本人は“バブル崩壊”という痛い経験をしているため、その教訓を元に少し景気が良くなっただけでは、多くの人はバブルの頃のように浮かれることはなくなりました。

その影響で広告に対しても、広告の文章に踊らされることがなく、欲しい商品があればじっくりと検討をする習慣が身に付いた人が多くなったことが、広告の反響が減ってきた理由の1つではないでしょうか。

以前は言葉で煽るような広告に対しても、多くの反響を得ることができました。

しかし、現代はうわべだけの言葉で煽るような広告は消費者に見透かされ、低い反響しか得られなくなっています。

厳しくなった消費者に興味を持ってもらい、固くなった財布の紐を緩めるには、下記のことに留意する必要があります。

1、インターネットなどで充分に情報を発信する
2、お試しや低価格帯の設定、見込み客リストの確立
3、第三者からの推薦、利用者の声、情報発信を行なう

1の“インターネットなどで充分に情報を発信する”については前項でご紹介をした通りです。

興味を持った人がインターネットでアクセスをした際に、情報発信がほとんどされていなければそこで終了してしまうパターンになってしまいます。

広告から興味を持ってくれた人が、さらに詳しい情報を知りたいという心理に応えられるような量の情報を、インターネットで発信することでその後の購入や見込み客になることに繋がっていきます。

2の“お試しや低価格帯の設定、見込み客リストの確立”については、長引く不況で人々は無駄遣いや衝動買いを抑えるようになりました。

化粧品やサプリメントのようにお試しが可能なものや、時間に応じたサービスなどは短時間の低価格帯の設定をし、消費者に対して門を広くすることで興味を持ってもらいやすくなります。

また、無料でのお試しやサンプルを提供する代わりに氏名、メールアドレス、電話番号、住所などの情報を提供してもらい、見込み客をリスト化し、定期的に情報を発信することで信頼感に結びついていきます。

3の“第三者からの推薦、利用者の声、情報発信を行なう”については、目が厳しくなった消費者に信頼感を得てもらう効果があります。

広告でどんなに自社の商品やサービスの良さを伝えても、第三者からの評判に勝ることはできません。

第三者からの推薦や、使って良かったという体験談を紹介することで消費者は信頼を感じてくれます。

また、広告やウェブの自社サイトに第三者の声を紹介するのからさらに発展をして、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ウェブのメディアで広告ではなく情報として発信されることができれば、消費者に対しての信頼感はより強く得ることができます。

これについては、この“メディアを活用して“勝てる”集客・販売戦略”のひとつのテーマですので、追ってご紹介していきます。

広告は基本的にお金が掛かるものです。

広告の反響が減った原因を分析し、その原因を克服する広告戦略を考えていくことで、費用対効果を上げることができるようになります。

(5)膨大な量の情報の中から興味を持ってもらうには?

誰もが朝起きてから寝るまでの間に、膨大な量の情報と遭遇します。

インターネットの普及により情報の量は一気に膨れ上がりました。

そして、今後益々あちこちから発信される情報の量はさらに多くなってくることでしょう。

朝起きてテレビをつけると朝の情報番組、コマーシャルから始まって、新聞の記事や広告からの情報、携帯・スマホを通じてのメールや更新の情報、そして家を出てから駅に着くまでの間に看板や駅前でのチラシ配布、電車に乗れば中吊り広告などからの情報が入ってきます。

朝の通勤までの短時間にこれだけの情報に遭遇するのですから、帰宅して寝るまでの間までには、計り知れないほどの量の情報と遭遇していることになります。

これだけ大量の情報が入ってくるため、人はすべてを受け入れて記憶に残すことなどもちろん不可能です。

自分に有益だと感じる情報、自分が興味を持った情報しか記憶に残ることはありません。

それも、少々興味を持った程度の情報では、メモでも取らない限り半日も経てば記憶から消えていってしまいます。

テレビ、新聞、雑誌、ネットからの情報でも、自分に有益だと感じる情報以外は、右から左に抜けていくようにスルーしていきますし、明らかに広告とわかる情報に対しては、なおさら自分が求めている情報、目を引く情報などを除けば拒否反応に似た状態でスルーされてしまいます。

このような状況でも、広告を出さなければ新規のお客様の獲得に繋げる手段が他にないため、低い反響の中でもやむを得ず広告を出し続けている会社や店舗は多いと思います。

新規のお客様を獲得できない状況が続けば、売上は良くて横ばい、通常は下がり続けていくのが目に見えているからです。

このような状況の中で、広告の反響を上げ、多くの新規のお客様を獲得する方法は、今の大量の情報が氾濫する時代に適したPRを行なってゆくことです。

インターネット、メディアPR、そして広告をリンクさせることで、広告の効率は上がると同時に反響も上がり、有料広告だけに頼らずに集客・販売戦略を展開することが可能になります。

広告の予算を上げなくても、インターネットやメディアPRから新規のお客様を獲得できるため、費用の面でも大きなメリットがあります。

大企業の広告宣伝方法の多くは、大量の広告を何度も繰り返し、人の記憶に残らせることを目的とする方法です。

1日に同じテレビCMを何度も流し、新聞や雑誌、ウェブでもそれぞれに加工した広告を発信することで、無意識のうちに記憶に残る方法を使っています。

この方法はもちろん広告予算が何十億もある大手企業ができる方法であり、それ以外の会社が大企業のマネをすることは不可能です。

限られた広告宣伝予算の中でPRを行ない、効率の良い形で進めていくためには、インターネットとメディアによるPR、そして広告の3つをリンクさせる形が効果的です。

トヨタやソニー、マクドナルドのように、日本の国民すべてに知ってもらう広告宣伝方法を行なう必要はありません。

ターゲットを絞り、ピンポイントで狙ったターゲットに情報を発信し、ターゲット層が1回情報を受信しただけで興味を持ってもらい、反響に繋がるというPR方法がインターネット・メディア・広告の3つのリンクで可能になります。

(6)ウェブ・メディア・広告をリンクさせるスタートは“自社の強み”

インターネットが普及し、人々が受ける情報の量が膨大になっている時代に、ひと昔前と変わらない広告方法を行なっていては、まったく興味を持ってもらえない場合も多く、ひどい場合には拒否反応まで示されて費用対効果はどんどん悪くなってしまいます。

このような状況の中でも広告の反響を上げ、多くの新規のお客様を獲得するためには、“インターネット”“メディアPR”“広告”の3つをリンクさせることです。

「インターネットも詳しくないし、ましてやメディアPRなんてまったくの未経験なのに3つをリンクするなんてできるか!」と思う人もいるかもしれませんが、どうぞご安心下さい。

このレポートは、インターネットでのマーケティングの知識がない方、メディアPRの経験がまったくない方でも実行できることを前提として書いています。

当GCPの過去の経験として、今までホームページを持っていなかった店舗が、初めてホームページを持って数週間くらい後から、毎日のように問い合わせがあり、週に何名かは必ず新規のお客様が訪れたり、今までメディアPRなんかまったく無縁だった店が、テレビの取材をされたという例はいくつもあります。

インターネット、メディアPR、広告の3つをリンクさせてライバルに差をつけるPRマーケティングを行なう方法を、順を追ってご紹介していきます。

もちろんここで紹介をする1から10までのすべてを実行する必要はありません。

あなたの業種に合った方法のみを実行したり、まずは実行しやすい方法のみから展開していってもまったく構いません。

どんなケースでも、まず最初に行なうことは、

“ご自分の会社、店舗で、特にPRできるポイント、他とは違う特徴、「あっ!」と言わせるような驚き、自信を持っている部分”などの“強み”をはっきりさせることです。

この部分をはっきりさせて、経営者(または担当者)はもちろんですが、全社員・従業員に明確に意識をさせることです。

価格が他と比べて一番安い(または一部のジャンルの商品だけでも安い)、飲食店ならば食材に自信あり、量がとても多い、かわいい店員がいる、豪華なインテリアを使っているetc・・・何かしらそいう部分があるはずです。

この“強みのポイント”をはっきりさせることが、これからのインターネット、メディアPR、広告の3つをリンクさせる展開のスタートとなります。

すでにオフィシャルサイトを持っている場合は、きちんと強みの部分を強調してアピールしているか?を確認してみてください。

オフィシャルサイトをまだ持っていない場合は、オフィシャルサイトを持った場合にどんな強みをアピールすれば、アクセスをした人の興味を引くことができるかということを考えてみてください。

自社の強みをはっきりさせて、その強みがユーザーから見ても興味を引く魅力があるならば、その後のメディアPRも、広告とのリンクもスムーズに進んでいくはずです。